具体的な支援内容
放課後デイサービスきぼうで取り組む支援の手段や方法は、利用児童の状況や目標等に合わせて考えられる最適な支援、療育を行っていくので個別に異なります。
支援や訓練の一部を紹介させていただきます。
視覚的支援、構造化
TEACCH(R)に学んで、視覚的支援、構造化を取り入れています。環境や状況の意味や目的を視覚的に、わかりやすく提供することで、混乱を少なくし自立的に活動ができるようになり自尊心が育つ様支援をしていきます。
TEACCHプログラムについて
アメリカ、ノースカロライナ大学医学部精神科の故 エリック・ショプラー教授が中心となって開発されたプログラムです。ノースカロライナ州全域で行われている自閉症の人のための、包括的な社会援助システムのことを言います。
課題学習
きぼうで行っている課題は概ね次の三つを目的と考えて実施しています。
(1) 様々なスキルを高める、そのきっかけになる。
一目見たらわかる、ほぼ間違えない簡単なものから、やり方を教えてから実施してもらう高度なものまで様々な課題を用意しています。それでもそのこどもに合わないようであれば教材を自作したりしています。
(2) 自尊心を高める、育てる。
自らが主体的に取り組み、最後までやり終えることで達成感を得ることができます。
(3) 切り替えや変化への対応を学ぶ機会。
遊戯室などで、各々が好きな事をして楽しんでいても、順番が来て課題学習に呼んでもすぐに片付けてきてもらえるよう切り替えられるように支援していきます。また、課題もいつも同じものをするわけではなく、やり方や個数も増えたり、出来るようになればまた違う課題にと少しずつ変わるようにしています。
課題は、始めは終わった後に駄菓子を買うお金をもらえるので、駄菓子欲しさにやりたがる子も多いですが、馴れてくると課題そのものをやりたがるようになる子も結構います。
課題学習の一例
絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)
障がいにより言語コミュニケーションが難しい方のコミュニケーションの方法はいくつかあります。きぼうでは、なるべくその方のコミュニケーション手段に合わせるように考えて支援を行うようにしていますが、PECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)という絵カードを示して、コミュニケーションを行うシステムをコミュニケーションに難のあるこどもに教えていくこともできます。
ただ、コミュニケーションの手段として活用してもらうためには、きぼうに来ている時だけではなく、いかに家庭など日常で使っていってくれるかにかかってきます。その場限りの事ではなく、卒業後のことも考えるため長期的な支援が必要となる為、保護者の方にもセミナーの受講をお願いしたり、絵カードの作成を手伝ってもらったりなど連携をとるようにしています。PECSは事前に必要な絵カードを作成して使用方法を教えておく必要がありますが、トレーニングを行っていくことで何が欲しいかなどが具体的に示せるようになるだけでなく、待てるようになったりと様々な社会性のあるコミュニケーションの獲得練習にもなります。
応用行動分析の理論に基づいた支援
行動に関する科学的理論としての行動分析学を、社会的に重要な問題の解決に活用する応用科学的な手法でApplied Behavior Analysisという名称からABAと呼ばれます。
「行動」の原因を「個人と環境の相互作用」によって生じるというのがABAの考え方です。
この考え方に基づいて、ABC分析といった方法を用いて
A(Antecedent)先行事象、行動が起こる直前の環境
B(Behavior)行動
C(Consequence)結果事象、行動の後に起きた環境の変化行動を分析し、対応する方策を立てていきます。
このような科学的な根拠のある支援方法を根底において、利用児童一人ひとりに合わせた支援を行っていきます。
※課題学習以外は、それぞれ行う訓練内容が異なってきます。必要に応じて訓練を作っていくことも多いです。
※これらの専門的な支援については、日進月歩変化し続けていくため職員は少しずつですが研鑽を積み重ねています。
※支援方法や環境設定などについて、専門家の定期的なコンサルティングを受けています。
その他の訓練
農作業訓練
小さな畑ですが、訓練を実施するこどもと相談して、何を植えるかを決めて作業にあたっています。耕運機を使って肥料を入れた土づくりから、草刈り機を使って草を刈ったり、真夏は空調服を着て真冬は防寒着を着て、安全に配慮した上で作業にあたっています。高校生で利用回数が多い(天候や職員配置の関係で毎日できるわけでもないため)こどもが訓練に参加しています。